「古いPCを捨てたいけれど、ごみの日に出していいの?」——パソコンの処分は、メーカーによる回収(PCリサイクル)が基本です。ほかに、小型家電リサイクルでの回収や、値段がつくなら売る方法もあります。
そこでこの記事では、パソコンの処分方法を、費用・手間・データの安全性の面から比べ、それぞれの手順と注意点を中立の立場でまとめました。
この記事のポイント
- 家庭のPCは、法律にもとづいてメーカーが回収し、リサイクルします。
- PCリサイクルマークのあるPCは、新たな料金なしで回収してもらえます。
- どの方法でも、データは自分で消してから出すのが基本です。
1. パソコンの処分方法は4つ
まず、主な処分方法を比べてみましょう。
| 方法 | 費用の目安 | 向いている場合 |
|---|---|---|
| メーカーの回収(PCリサイクル) | マーク付きは新たな料金なし | 確実にリサイクルしたい |
| 小型家電リサイクル(自治体・家電量販店) | 自治体・店によって違う | 近くに回収する場所がある |
| 認定事業者の宅配回収 | 条件によっては無料 | 周辺機器もまとめて出したい |
| 売る | 値段がつけば手元に残る | 年式が新しく、動く |
このように、費用と手間はそれぞれ違います。そのため、PCの状態と、近くの回収の場所から選ぶのが現実的です。
ケース別の選び方
そこで、PCの状態ごとに選ぶなら、次のようになります。
| PCの状態 | 選びたい方法 |
|---|---|
| まだ動き、年式が新しい | まず売れるかを確かめる |
| PCリサイクルマークがある | メーカーの回収(新たな料金なし) |
| マークがない(2003年9月までに購入) | メーカーの回収(料金あり)か、小型家電リサイクル |
| 自作した・メーカーがもうない | 業界団体の回収(料金あり)か、小型家電リサイクル |
| 会社や店で使っていた | 事業系の回収(メーカーに問い合わせ) |
| 部品やバッテリーだけ | 市区町村の案内か、電池の回収協力店 |
2. メーカーの回収(PCリサイクル)
次に、基本となるメーカーの回収です。経済産業省によると、使い終わったPCは、資源有効利用促進法により、メーカーによる回収とリサイクルが義務づけられています。また、2003年10月以降に販売された製品は、無料で回収されます(経済産業省「パソコンのリサイクル」)。
目印は、本体に貼られた「PCリサイクルマーク」です。業界団体のパソコン3R推進協会(PC3R)によると、このマークのあるPCは、新たな料金を払わずに回収してもらえます。一方、マークのないPC(2003年9月までに買ったもの)は、回収再資源化料金がかかります(PC3R「PCリサイクルマークについて」)。ただし、経済産業省によると、マークがなくても、家庭で使っていたPCは無料で回収される場合があるため、メーカーに問い合わせましょう。
申し込みから回収までの流れ
手順は、次のとおりです(PC3R「リサイクルの手順」)。
- メーカーと型番、PCリサイクルマークの有無を確かめる
- メーカーの窓口に申し込む(ほとんどのメーカーはインターネットで受け付けています)
- マークがなければ、回収再資源化料金を払う
- 届いた「エコゆうパック伝票」を貼り、自宅での集荷を頼むか、郵便局へ持ち込む
マークは、本体の裏面や側面に、印刷かシールで付いています。10mm角ほどの小さなものもあるため、よく探しましょう。また、本体とディスプレイのメーカーが違うときは、それぞれのメーカーに申し込みます。
梱包は自分で行い、段ボール箱や厚手のポリ袋など、簡単な梱包でかまいません。キーボードやマウスなど最初から付いていた物は、本体と同じ箱に入れます。ただし、デスクトップ本体とディスプレイは、1台ずつ別に梱包して伝票を貼ります。なお、送料などは別にかかりません(PC3R「梱包と回収について」)。
気をつけたい失敗
- メーカーに申し込まずに、郵便局へ持ち込む(受け付けてもらえません)
- コンビニや簡易郵便局に持ち込む(取り扱っていません)
- 最初から付いていた物以外を、同じ箱に入れる(回収の対象外です)
- 申し込んだ内容と違う物を送る(返されることがあります)
- 留守にする日に集荷を頼む(不在のときは集荷しません)
いずれも、PC3RのQ&Aで案内されています(PC3R「PCリサイクルQ&A」)。
回収してもらえる物・もらえない物
さらに、回収の対象も確かめておきましょう。
| 回収してもらえる物 | 回収してもらえない物 |
|---|---|
| デスクトップ本体・ノートPC | プリンターなどの周辺機器 |
| 液晶・ブラウン管のディスプレイ、一体型PC | サーバー・ワープロ専用機 |
| 購入時に同梱のキーボード・マウス・コード類 | 部品だけ・説明書・CD-ROM |
また、法律では、重さ1kg以下のPCは対象外とされています。ただし、PC3Rの会員メーカーは、1kg以下のノートPCも自主的に回収しています。タブレットも自主的に回収しているメーカーがあるため、機種ごとの扱いはメーカーに確かめましょう。
なお、メーカーがすでにない場合や、自作したPCは、PC3Rが有料で回収しています(PC3R「メーカー名が見当たらない場合」)。マークが付いていても、メーカーが倒産した場合は、PC3Rの所定の料金がかかります。一方、ブランドが別の会社に移ったPCは、引き継いだ会社が回収しています。たとえば、IBMのPCはレノボ・ジャパン、コンパックのPCは日本HPが回収しています。
3. 小型家電リサイクルと認定事業者の回収
さらに、2013年4月に「小型家電リサイクル法」が始まり、家電量販店や一部の市区町村でもPCを回収しています。ただし、回収するかどうかや方法、料金は、店や市区町村によって違います(PC3R「小型家電リサイクルによるパソコンの回収」)。
PC3Rによると、この仕組みのよい点は、家電量販店や市区町村の窓口で出しやすいことです。また、メーカーの回収では料金がかかるPCでも、無料で回収される場合があります。一方で、すべての店舗でPCを回収しているとは限らないため、持ち込む前に店に確かめましょう。なお、PCを回収する家電量販店は、国の認定の際に情報漏洩の対策がチェックされています。
また、国の認定を受けた事業者も回収を行っています。たとえば、PCを含む1箱を無料で宅配回収する事業者もあります。ただし、箱の大きさや重さの条件があり、条件を超えると料金がかかるため、申し込む前に確かめましょう。認定事業者は、環境省の一覧で確認できます(環境省「小型家電リサイクル関連」)。
4. パソコンの処分でごみとして出せる?
また、「ごみの日に出せるのか」と迷うこともあるでしょう。PC3Rによると、メーカーの回収が始まってから、多くの市区町村はPCをごみとして集めるのをやめました。ただし、今も粗大ごみや不燃ごみとして集める市区町村や、小型家電リサイクルの仕組みで回収する市区町村もあります。
このように、出し方は地域によって違います。したがって、まずはお住まいの市区町村のホームページやごみカレンダーで確かめましょう。また、PC3Rは、小型家電リサイクルでPCを回収できる市区町村は、情報漏洩の対策がとれるところだけだと説明しています。
なお、PCを回収する業者の中には、国外への転売や個人情報の転売など、法律を守らない悪質な業者がいるおそれもあると、PC3Rは注意を呼びかけています。そのため、業者に頼むときは、環境省の一覧にある認定事業者かを確かめると安心です。
5. 値段がつくなら「売る」も選択肢
また、まだ動くPCなら、売ることも考えましょう。年式が新しいPCや、Windows 11に対応しているPCは、値段がつくことがあります。一方、古いPCや壊れたPCは、値段がつかないこともあります。
そこで、「売れるなら売り、売れなければリサイクルに出す」のが、手元に残るお金と手間のバランスがよい方法です。売れるかどうかの目安はパソコンの寿命と売り時、Windows 10のPCはWindows10のパソコンは売れる?で解説しています。
6. 処分の前にデータを消す
そして、どの方法でも、データの消去は忘れずに行いましょう。経済産業省は、PCのデータは使う人・出す人の責任で、あらかじめ消しておくことが望ましいとしています。
注意したいのは、ファイルを「ごみ箱」に入れて空にしたり、フォーマットしたりしただけでは、データが見えなくなっているだけの場合があることです。PC3Rによると、こうしたデータは、専用のソフトで読み取れる場合があります。そのため、専用のソフトで消すか、専用の装置やサービスでハードディスクを壊す方法がすすめられています(PC3R「データ消去について」)。
ただし、自分でハードディスクを取り出し、ハンマーでたたいて壊すのはやめましょう。最近のハードディスクは中の円盤がガラスでできていて、割れるとけがをするおそれがあります。
たしかに、メーカーの回収ではハードディスクの破壊などの対策がとられています。とはいえ、メーカーは、万が一データが漏れても責任を負えないとしています。そのため、手元を離れる前に自分で消しておきましょう。消し方はパソコンのデータ消去の方法で解説しています。
7. 処分に関するよくある質問
モニターやキーボードも一緒に出せますか。
メーカーの回収では、キーボードやマウスなど最初から付いていた物は、本体と同じ箱に入れます。ディスプレイも回収の対象で、本体とは別に1台ずつ梱包します。
自作したPCはどうすればいいですか。
PC3Rが、有料で回収しています。申し込みはホームページで受け付けており、インターネットを使えない場合は電話でも申し込めます。
壊れていても回収してもらえますか。
壊れたPCも、メーカーの回収に出せます。ただし、本体が故障していても、ハードディスクは動いていて、データを読み取れる場合があります。自分で消せないときは、メーカーに相談しましょう。
中古で買ったPCや、人からもらったPCも出せますか。
出せます。中古で買ったPCや人からもらったPCも、出す人がそのPCのメーカーに申し込みます。また、メーカーがもうない場合は、PC3Rに申し込みます。
バッテリーや部品だけを捨てたいときは?
メーカーの回収は、PCという製品が対象で、部品だけは回収してもらえません。そのため、部品の出し方は、お住まいの市区町村に確かめましょう。一方、PC3Rによると、ノートPCなどのバッテリー(小型充電式電池)だけなら、一般社団法人JBRCの「リサイクル協力店」で回収しています。回収の条件は、JBRCのホームページで確かめましょう。
会社で使っていたPCも同じ方法で出せますか。
事業で使っていたPCは、家庭のPCとは回収の手順が違います。経済産業省は、事業系のPCについてはメーカーに問い合わせるよう案内しています。なお、事業向けのPCには、PCリサイクルマークは付いていません。
まとめ:まずは「売れるか」、だめなら「PCリサイクル」
まず、動くPCなら売れるかを確かめ、値段がつかなければメーカーの回収や小型家電リサイクルに出しましょう。そして、どの方法でも、データは自分で消しておきましょう。このように、パソコンの処分は「売る」と「リサイクル」を比べて選ぶのが基本です。
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公開日 2026.10.08 / 更新日 2026.10.08
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※出張買取(訪問購入)では、液晶ディスプレイやプリンターなど持ち運びが容易でない家庭用の電気機械器具と、パソコン用のソフトなどプログラムを記録した物は、特定商取引法の訪問購入の規定(8日間のクーリング・オフなど)の対象外です(特定商取引法施行令 第34条)。一方、パソコン本体や、SSD・HDD・メモリなどのパーツは、消費者庁が示す対象外の具体例に含まれていないため、対象になると考えられます(消費者庁「特定商取引に関する法律施行令第34条で規定する物品の具体例」)。

